大腸にできる隆起性の病変(いぼのようなもの)を一般
に大腸ポリープといいます。 (1)大腸ポリープとは 大腸にできる隆起性の病変(いぼのようなもの)を一般
に大腸ポリープといいます。 図のようにいろいろな形があり、大きさも1mm程度から5cm以上までいろいろです。炎症性のもの、
過誤腫性(大腸粘膜に迷入した細胞から発生する)、腫瘍性のものなどがあります。
それぞれ形だけでは判別は難しいですが、大腸ポリープのうち8割以上は腫瘍性のものと考えて
良いようです。腫瘍性のポリープはそのまま放置しておくと少しずつ大きくなり5年ぐらいでがん
化するものもあるといわれています。 腫瘍性ポリープの発生原因として最近では遺伝子の異常が考えられています。遺伝子の異常
は先天的なものと後天的なものがあり、先天的なものは家族的に発生するタイプのもので血縁者に
大腸ポリープや大腸がんがみられる場合には遺伝子の異常をもっている可能性があります。発がん
物質や放射線によって遺伝子の異常が生じる場合もあります(後天的遺伝子異常)。遺伝子の異常
の程度によって発生するポリープの数や部位に違いがみられます。一般にポリープが多発する場合
には遺伝子の異常が高度であると考えてよいようです。家族性大腸腺腫症という病気がありますが
、これは大腸ポリープが家族的に多発し若年のうちに大腸がんが発生する遺伝子に明らかな異常を
伴った遺伝病です。 (2)大腸ポリープの症状
自覚症状はほとんどありません。ただある程度の大きさになると便が接触することにより少しずつ
出血することがあります。目でみても判らないような出血もあり最近では便潜血検査といって便を
科学的に検査して血液が混じっているかどうか調べることが行われています。私どもののデータで
は便潜血が陽性の方の大腸を精密に検査すると半分以上の方に大腸ポリープや大腸がんがみつかっ
ています。 (3)大腸ポリープの治療
ほとんどの大腸ポリープは大腸ファイバースコープと
いう内視鏡を用いて切除することができます。 切除する時には痛みは全くありません。図のようにポリープの茎の部分に金属の輪をかけて高周
波の電流を流して焼き切るのです。合併症は専門医が行った場合にはほとんどないと言えますが、
切除した部分から出血したり穿孔といって腸に穴があくことがあります。ポリープ切除後およそ1
周間は食べ物の量を減らし、アルコールや刺激の強いものを避けるようにすればほとんど合併症は
おきません。大腸ポリープの内視鏡治療は専門的技術と知識が必要ですので必ず専門医に相談する
ことをお薦めします。 (4)大腸ポリープと大腸がん
早期大腸がんは大腸ポリープと同じような形をしています。
検査だけでは判別できないこともあり、 内視鏡で切除して顕微鏡検査ではじめて判ることもしばしばあります。早期大腸がんの大部分は
内視鏡で切除するだけで完治します。また、大腸ポリープを何年も放置しておくと少しずつ大きく
なりがん化することもあるようです。2cm以上の大きさの大腸ポリープのおよそ半分はがん化してい
るといわれています。腫瘍性の大腸ポリープは発がん物質の影響でがん化しやすいと考えられます
。 (5)大腸ポリープの予防
大腸ポリープの発生の予防法はないと考えられます。
遺伝子に異常があれば必ず発生すると思われますが、 発生した大腸ポリープが大きくなったりがん化することを予防する方法は決してないわけ
ではありません。食生活の欧米化が大腸がん増加の原因といわれていますが大腸ポリープも欧米化
した食生活により増大しやすいようなのです。肉食を減らし食物繊維をできるだけ食べるようにす
るとポリープが大きくなることやがん化することが予防できると考えられています。
(6)大腸ポリープの早期発見方法
前に述べましたが大腸ポリープは自覚症状がほとんど
ありません。便潜血検査で陽性になった場合には必ず大腸の精密検査を受けるようにして下さい。
大腸の精密検査には内視鏡検査とレントゲン 検査がありますが大腸ポリープを早期に発見するためには内視鏡検査の方が確かなようです。レン
トゲン検査では小さなポリープやあまり隆起していない早期がんなどはなかなか発見できません。
便潜血が陰性でも内視鏡検査でポリープや早期がんが発見されることもあります。最も確実なのは
およそ2年に一度大腸内視鏡検査を定期的に受けるようにすることです。 
よくご質問頂く事項について少しお話致します。
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